典子のマンドリン教室
<楽器の選び方>
楽器を選ぶ時、何を主眼に置くかはその人の価値観によるものが大きいと思います。 楽器のブランド、芸術的工芸品的な装飾価値、楽器の稀少的価値(銘器)など。 |
でもやはり演奏者として一番重視したいのはやはり音色と音量、響きの良さだと思います。 音色に関しては好みですが、音量や響きは演奏スタイル(ソロで弾くのか、合奏で弾くのか)などを考慮して決められたらいいと思います。 ソロの場合、あまり音の線の細い楽器は避けた方がいいかもしれません。 自分で弾いてみてよく鳴るように聞こえる楽器でも音が遠くに届かないものがあるので、誰かに聞いてもらうのもいいかもしれません。(音の遠達性の問題) それと低音弦の音色や響きを私は重視しています。(高音はどの楽器も比較的鳴るので。) |
次にメカニックな点ですが、まず第一に持ちやすいもの。 体型や手の大きさ、指の長さなど個人差があるので、ネックを持ってみて持ちやすく、弾きやすいものを選ばれたらいいと思います。 重さは好みですが、私はある程度軽いものが扱いやすくて好きです。 重くても別段いいのですが、ヘッドの装飾に凝りすぎて全体の重量バランスが悪い(ネックから上が重い)ものは避けた方がいいでしょう。 |
楽器のチェックポイントとしては 1.ネック反りがないかどうか。(新品でも反っているものがあります。) ネックが起きている(上に反る)とブリッジの接点が異常に低くなり、寝ていると高くなっています。これは良くない状態です。 2.フレットの状態がきれいに直線になっているかどうか。 表面の弦があたる部分が磨耗したり、波打っているとびりつくことがあります。 特定の音がびりついていないかを一つずつチェックして下さい。 3.フレッチングが正しいか。(オールドは要注意) きちんと出来ていないものがあります。 調弦時にずっと苦しむことになります。音程がきちんと合うか、調弦しやすいかチェックすること。 (調弦が合わない理由としては他にブリッジ位置の問題、弦の不良などの場合もあります。) 4.ブリッジやナットの弦との接点は適正か。 接点の場所が適当でなかったり、切り方によって音色が変わってきたり、びりつきの原因になることがあります。 5.指板の厚みは適当か。磨耗していないか。(中古、オールドは要注意) 切削を繰り返して薄い場合もあります。6ミリ前後が適当。 6.木の接着面に隙間がないか。 7.内部の状態はどうか。(中古、オールドは要注意) 力木が外れていることがあります。 8.材料が均一か。(これは音よりも装飾的、財産的な価値。) 繊維の方向が均一でない。節が出ている。柾目がずれている。 9.使っている材料のグレード よく乾燥したいい材料を使用したものか。使用する材料によって価格が変わってきます。 |
他にもいろいろあると思いますが、気がついたことを書いてみました。 なお音の良さを追求するのなら装飾部分は不要です。 工芸的な価値ゆえに値段が高くなっているケースが多いので、値段にこだわらず、 一つ一つ手にとってみて掘り出しものを探されたらいいと思います。 あと、アフターケアが大切なので修理の時、どの程度まで対応してくれるのかを 確認しておいて下さい。(保障期間等) 納品までに気に入らない箇所を伝えておきましょう。調整して納品してもらえます。 ペグが硬い、フレットの端の仕上げが粗雑(手に当ると引っかかって痛いものも ある。)、弦高が高い。(ナットとブリッジを調整してもらいましょう。) 購入するに当って、楽器の不安はすぐお店の人に伝えましょう。 楽器は、生き物です。 いい状態を保つためには、1〜3年に一度はメンテナンスが必要です。 |